日本で見かける犬たちは他国と比較しても圧倒的に小型犬が多いです。
運転中に見かける犬たち、パグ、プードル、チワワ、ミニチュアダックス、マルチーズ、シーズー、フレンチブルドッグ、豆柴犬…など、流行を追いやすい日本人の飼う犬は小型犬種に偏っています。
これも都心の住宅事情によるものなのでしょうが、この犬の小型化は少し危険な方向に流れつつあります。
小さな犬→かわいい→抱っこするもの という一方的な愛護の価値観へとつながります。
人の一方的な価値観の変化にとどまるのであれば、それに異論を唱えるつもりはありません。
しかし、この犬の小型化+人の犬に対する価値観の変化が、犬の行動に影響を及ぼしているという事実が出てきました。
なので今日はあえて、このことが犬という動物にとって危険で不利益なものであるということを説明します。
もし、犬が日常的に以下のような行動をしているのであれば、これはとても危険なシグナルです。
走り回る、
飛び上がる、
尾をふっている、
おもちゃをおいかける、
落ちているものをすぐに口にする、
尾を追う、
穴掘り行動を繰り返す、
ごはんを飲むようにたべる…。
これらの行動は犬が興奮している=テンションの高くなっている行動例のいくつかです。
もちろん犬は興奮することがあります。
それは人が興奮することがあるのと同じように「場合によっては興奮することがある」という程度です。
ところが犬の興奮行動が日常化しているとなると、正常な状態とはいえません。
犬の脳内はかなりテンションの高い状態で、何かに執着行動や、同じ行動を繰り返す常同行動が頻発になっているのです。
もっと危険なことは、
犬がこのように興奮した状態であることを見た人が「犬が喜んでいる」と勘違いしていることです。
おもちゃが好き
人が好き
来客が好き
ガムが好き
ごはんが好き
…。
なんでも犬が興奮するもの犬が好きだと思い込んではいないでしょうか?
ドッグランが好き
犬が好き
走るのが好き
…。
なんでもこれで片付けではいないでしょうか。
これはとても危険なことです。
犬が発しているストレスシグナルを、犬が幸せだと勘違いしているのですから全く危険なことです。
適切に接し、適切な生活練習を重ねていけば、犬の状態によって期間は異なれど、犬は正常な行動を取り戻していきます。
つまり犬の脳内は落ち着きを取り戻し、リラックス感を思い出していきます。
犬は性格で興奮しているのではなく、人がつくった環境の中で興奮を続けてハイな状態になっているのです。
ハイな状態は動物にとっては「幸せ」というのかもしれません。
人であっても「ハイだな」と感じる人はたくさんいるし、本人は自分は幸せだと思っているかもしれません。
でもハイな状態は疲れます。
そしていつかどーんと落ちたり、パニックになったり、壊れていきます。
犬たちの悲鳴に気づいてあげてください。
あなたの犬はハイなだけではないでしょうか?