先日のブログに書いたトレッキング中に出会った山にうずくまるカラスのこと。
<自然のこと>野生動物にもある仲間意識が消えゆく犬たち
このときに鮮明に思い出したことがあります。
ああ、あの時にオポも傷ついたカラスが休んでいたこの杣で一日を過ごしたのだということを思い出ました。
オポが12歳の時のことです。
ある夜にオポが不調の状態となり、嘔吐を繰り返し室内にも戻ってきませんでした。
嘔吐の中には血液もまじり、何か体から出したいものがあるけれど出てこない…そんな状態で土の上に腹をつけて一の字でじっとして動かなくなりました。
そばでじっと様子をうかがっていましたが、明け方4時くらいに寒くなり私は部屋に入っていました。
夜が明け始めるとオポが私のところに来てまっすぐと立って私を見つめつつ体重を少し後ろ脚にかけています。
私がたちあがるとオポも動き出し、山に行くのだとすぐにわかりました。
着の身着のままでまだ冷えの残っていた山に登るオポの後について登りました。
なんども下血しながら息を切らしながら山を登るオポ。
黙ってオポのうしろをついて歩きます。
そしてついた山の杣に伏せるオポ。
やはり腹をしたにして一の字になってじっとしています。
結局夕方までここから動かず…。
夜には家に自力で戻りました。
数日後には食事をとるようになり12歳の波を超えたのです。
あのオポが癒しを求めた場と同じ場で、カラスも癒されていたのだと知って「なぜ同じ場所なの?」と不思議に思いました。
私たちが知らない何かを動物たちは知っているのかもしれません。
本能というものなのでしょうが、本当に自分にとって必要なものなのでしょう。
自分はまだそれを知らないような気がする。
そんなことも知らずに死んでいく人間に飼われている犬たちが幸せになるのだろうかと深く反省します。
とりあえずは日々の果たすべき役目を果たすのみ、その積み重ねが脳の奥にある気づきを目覚めさせてくれると思うしかありません。
その後カラスは姿を消しました。
元気に飛び立ったのか、新たな世界へ旅立ったのか、そんな思いで犬たちと山歩きを続けます。