犬生には様々な喜びがあり、同時に悩みや苦しみもあります。
ひとに言えない、誰にも相談できない悩み、苦しみ。
そんな時少しでもお役に立てばというのがこのブログ<テレフォンわんわん人生相談>です。
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ナレーター:もしもし
相談犬:もしもし…
ナレーター:はじめまして、今日のご相談は何ですか?
相談犬:はい、先日散歩をしていて少し不思議に思ったことがあったものなのでお尋ねしたくて…
ナレーター:不思議に思ったこと、何ですか?
相談犬:はい、実は自分にはないものを他の犬が持っているのに気付いたもので
ナレーター:あなたにはないものを他の犬が持っていたのですね、それは何ですか?
相談犬:自分にはないので今まで知らなかったのですが長い尾というのが他の犬にはついていたんです。
しかもそれがよく動くんです。
その犬に聞いたところ尾は毎日の活動にとても役立っているらしく、尾の短い自分のことを心配してくれました。
ナレーター:なるほど。あなたにはその犬にあった長い尾はないのですね。
相談犬:はい。私にはそんなに長いのはついていないんです。
私が尾だと思っていたものはすごく短くてほとんど動かないんです。
その犬の尾はずいぶん違います。
ナレーター:最近になって気づいたんですか?
相談犬:はい、今まで気にならなかったのですが、最近になって気づきました。
ナレーター:それでそのことを悩んでいるということでよろしいですか?
相談犬:悩んでいるというか、どうしてなんだろうと思いまして。
飼い主に相談してみようかとも思ったんですが、なかなか伝えづらくてこちらにお電話した次第です。
ナレーター:はい。わかりました。それでは専門家の先生にお尋ねしてみましょう。
先生:こんにちは。
相談犬:こんにちは。よろしくお願いします。
先生:あなたいくつになるの?
相談犬:1歳を過ぎました。
先生:1歳ね。散歩でもいろんな犬に出会うようになった年齢なのですね。
それで、他の犬と自分の違いに気づいたのね。
相談犬:はじめは自分と同じような形の犬に会っていたのですが、最近よく見かける犬が立派な長い尾を持っていて、それで聞いてみたらそれが尾というのだということだったのです。
その犬がいうには「尾は犬ならみんな持ってるよ」というのでびっくりしました。
それは本当なのですか?
先生:ええ、尾というのは体の一部で本来の犬ならみんな持っているものなんですよ。
でも、一部の犬たちは人が形を変えすぎたせいで生まれたときから少しいびつな形の尾をもっています。
相談犬:私の尾は短くてなめらかには動かないようなものなので…
私も生まれたときからこんな尾だったんでしょうか?
先生:ああ、あなたのは棒のような尾なのね。
それでしたらおそらく生まれたときに切られたものだと思いますよ。
相談犬:え?私の尾は生まれたあとに切られたんですか?
私にもあんなに立派な尾がついていたんでしょうか?
先生:びっくりしないでくださいね。
あなたの見た立派な尾と全く同じではないかもしれませんが、あなたにも長い尾があったんですよ。
あなたのようなケースは珍しくありません。
赤ちゃんのときに尾を切られてしまうことはよくあることなんです。
相談犬:知らなかったもので、びっくりしました。
私も長い尾を持っていたんですね。
それはあるといけないものだから切られたのでしょうか?
飼い主が私のためにやったということですか?
先生:あなたの尾を切ったのはたぶん飼い主ではありません。
あなたを繁殖した人かそれに携わった回りの人の手によって切られたのでしょう。
理由については、人にとって必要ないということになります。
あなたにとっては必要だった可能性が高いのですが、残念なことです。
相談犬:私にとっては必要だった尾が人にとっては必要のないという理由でなくしてしまったということですね。
なんかすごくショック…です。
知らない方が良かったのかもしれない…。
先生:本当のことって知ると傷つくことばかりだからね。
でもね、あなたがそのことを知ってどう思うのかが大事だから。
相談犬:正直、ガッカリしました。
すごく大切にされていたと思ったので。
先生:あなたの尾のこと、あなたの飼い主さんはご存知ないはずですよ。
あなたの飼い主があなたを大切にしていることは真実なんです。
そのこととあなたの尾が切られたことはまた別のことなんです。
相談犬:飼い主さんは知らないんですね。
でも、どうしてなんでしょう。
私にとって大切なことなのに、飼い主が知らないところで私に必要なものを奪われてしまうなんて。
ちょっと信じがたい話です。
先生:本当にそうですね。
あなた方犬の立場に立って考えれば分かりそうなことなのに、そういう風に考えられない人がまだたくさんいるということは私たち人間の方の責任です。
あなたが不思議がり思い悩むのも無理はありません。
あなたはどうしたいですか?
相談犬:自分に必要な長い尾を取り戻せるならそうしたいですが、それは無理なので…。
そうですね、大切なことなので飼い主に知ってもらいたいです。
先生:そうですね。
あなたが一番伝えたい人に聞いてもらうのがいいですね。
このことならきっと飼い主さんもあなたの気持ちを共有してくださると思いますよ。
そしてあなたたち犬について大切なことなので周囲の人たちにも伝えてくれるはずですよ。
相談犬:はい、わかりました。
ナレーター:相談犬さん、先生のお話わかりましたか?
あなたもいろいろと思いや悩まれているようですが、悩んでばかりでは、ね。
相談犬:はい、大切なことを知って少し落ち込みましたが、
これからできることを考えるなら、飼い主さんに聞いて欲しいです。
ナレーター:あなたから伝えられないからこいうことを書いてある記事もたくさんありますし、ちゃんと伝わるといいですね。
相談犬:ありがとうございます。
自分たちの子孫が本当に大切にされるように、これからも先生方にもお願いしたいです。
ナレーター:そうですね。いっしょにがんばりましょうね。
今日はありがとうございました。