数日前の夜中に春の嵐が通り過ぎました。
七山でお預かりクラスの犬ちゃんもいたので、様子を伺いつつ嵐の収まるのを待ちました。
七山では落雷が頭上から真っ逆さまに落ちてくるような地響きがして、家が振動で揺れるかというくらいの衝撃がありますので、慣れてはいるもののいつでも駆け出せる気持ちでいます。
ところが、犬たちの方は少し様子が違います。
今までなんども雷が苦手という犬を七山に迎えたことがあります。
トレッキングクラスだったりヒーリングクラスだったりお預かりの時であったりと状況は様々ですが、犬が極端におびえる様子になることはあまりありません。
自宅で雷が起きたときには雷恐怖症かと思われるようないろんな行動が出る犬たちも、なぜか七山では落ち着いているのです。
犬の雷恐怖症とみられる行動は、その段階によりますが次のような行動があります。
震える
隠れる
よだれが出る
走り回る
目を見開く
飼い主について回る
吠える
戸口から出ようとする
何かにかみつく
失禁する
行動から状態を察するところ、恐怖、闘争、逃走の状態に入っています。
これは動物が環境にストレスを感知したときに陥る状態です。
犬だけでなく人も同じ状態にいたりますので、もし自分がそのような状態にいたったと考えると犬が受けているストレスを判断しやすくなるでしょう。
いったんこの状態に入ってしまうとそこから脱出されるのはなかなか大変です。
雷の場合には一定期間はその環境を取り除くことができないのですから、犬のストレスレベルは上がっていきます。
雷が鳴り始めると、犬たちはどうしているだろうかと少し気がかりになります。
犬たちというのは生徒さんの犬のことで、自分の犬のことではありません。
犬は雷が苦手なのが当たり前と誤解されることもあるようですが、動物がいちいち雷に逃げ出していたら山で生きていくことはできません。
犬が雷に強く反応してしまうのは、犬を取り巻く環境や犬の内面の環境、つまり情緒的な環境がまだ安定していないということです。
雷恐怖症の犬の飼い主さんは、まだ犬に対してできることがあるということを前提に取り組んでください。
雷恐怖症には薬を使われることもありますが、あくまで対処法ということで常用することないよう環境改善に目を向けていただきたいのです。
このことを前提として実際今雷が起きたら落ち着かない犬を落ち着かせるために何をすればいいでしょうか?
犬が一番落ち着ける場所に戻してあげることがまずできることです。
グッドボーイハートの生徒さんたちならクレートトレーニングは完璧に出来上がっているはずです。
犬をいったんハウスに戻して落ち着きを取り戻しすよう促します。
来客や他の興奮を収めるのと同じ方法でやってみてください。
逆に犬に対して決してやってはいけないことは何でしょうか?
宿題にしたいところですが、ムズムズしてしまう人は最後の答えを見てください。
普段の生活や家庭では雷に怯える犬が、七山では怖がらない理由については自分で考えてみてください。
本当にそれを知りたければ、犬といっしょに山で過ごす時間を作ってみることです。
いっしょに過ごせばその意味がわかります。
雷に怖がる犬にやってはいけないこと
犬を抱きしめること
犬を抱きあげること
犬をなでること
犬に声をかけること
このような犬をなだめるような行為はしないでください
このなだめる行為は人のような接触の多い動物では有効な場合があっても、犬にとっては不安の要素を高めるだけです。