家庭訪問のパピートレーニングクラスで、3ヶ月の子犬ちゃんがお散歩の練習をはじめました。
子犬が散歩に出るというのは、大きな社会化という成長のための一歩を踏み出すことにもなります。
子犬が外界という世界に対しどのような反応を示すのか、それに対してどのように対応していけばいいのかなど、飼い主さんにとっても新しい課題が増えてきます。
犬を散歩させることで最も難しいことは、リードという犬という動物にとっても大変不自然な道具を理解させなければいけないことです。
リードという道具は犬の安全を確保するために着用するものですが、犬の方から見ると拘束されてしまい逃げることができなくなるというストレス状態に追い込まれてしまうものでもあります。
子犬にリードを着けることの意味は、飼い主が手をつないでいるように犬と歩いているということです。
リードは子犬を守るための道具でもあり、また子犬にどちらの方向に進もうとしているのか、停止しようとしているのか、待つ必要があるのか、など状況による様々な行動を伝えるための大切な道具なのですが、子犬がこれを理解するようになるにはしばらく時間がかかります。
それよりも、リードを使っている人(飼い主)の方が、リードの使い方を十分に理解できていません。
特に様々な危険と遭遇する可能性のある混雑した道でリードを使う場合には、リード使いにはかなり熟練を求められます。
リードは犬を落ち着かせるために使う道具であって、リードをひっぱって犬を不安定するような道具ではなく、馬でいえば手綱だと思っていただけるとわかりやすいかもしれません。
子犬はリードを付けられているストレスを抱えながら、臭いの強い都心の環境をすり抜けて安全地帯である緑の多い公園へと向います。
子犬にどのような手順を踏めば社会化をできるだけ緩やかに促進させることができるのか、子犬の性質やそれぞれの異なる地域の環境から算出していくだけでも、かなり時間のかかる作業です。
次の動画は、お散歩練習をはじめたばかりの3ヶ月の柴犬ちゃんの動画です。
生後3ヶ月のカレーニンちゃんのお散歩風景の動画
こうした散歩にかかわる環境整備を飼い主さんといっしょにやっていくためには、やはり家庭訪問トレーニングが一番です。
実際に見ることができない環境の場合には、ビデオで見せていただいてり飼い主さんからの詳細な報告で環境を把握できるように努めています。
さらに、子犬の散歩デビューの前準備と室内での子犬との過ごし方が子犬の散歩行動に影響を及ぼしていますので、つまりは何かひとつだけを練習してもうまくはいかないということです。
逆をいえば、一貫して接することを覚えると犬のしつけ方や関係性の作り方はある意味シンプルであるともいえます。
子犬たちのこれからの成長が楽しみです。