グッドボーイハート七山で預かりクラスをしているときのことです。
預かり犬ちゃんたちに連続で庭に穴堀りをされて悲鳴を上げたことになりました。
特にビックリした方は、大型犬が少し目を離している間に巨大な穴を掘っていたことです。
ほんの数分だけだったのですが、長さ1メートル、そして水道管が露出していました。
水道管を破損されかっただけでも有難い話ではありますが、土が柔らかいので特大サイズになったのでしょう。
あとは小さいちゃんたちの軍団なので、掘った穴のサイズも幅、深さともに10センチ程度のものです。
それでも歩いているときに足がはまってしまうこともあるので、歩くときには注意する必要があります。
しかも、数頭預かりをしているときには同じ穴をいっしょに掘っている姿をよくみかけます。
土を掘る動作をすると犬がよってきていっしょに掘ろうとするので、穴掘りは共同作業のひとつとして身に付いているからでしょう。
では、そもそもなぜ犬は穴を掘るのかということです。
犬という動物の習性を考えればある程度のパターンでは推測ができます。
最も大切な穴掘り作業は、巣穴を作る際の穴掘りです。
犬によってもサイズは様々ですが、自分の体のサイズくらいの穴は掘ることができます。
出産時につくるのがメインにはなりますが、その他隠れる場所を必要としているときや冬の寒さや夏の暑さから逃れる方法としても巣穴は快適な空間のようです。
穴掘りの活用法の二つ目は、食べ物を隠しておく場所として使うことです。
巣穴があればその中に隠すという方法もあるでしょうが、巣穴なしで活動をしている場所では穴を掘って食べ物をいれそしてまたその上に土をかぶせていきます。
鼻で土をかぶせるような動作はタオルケットや毛布でもよくみまれます。
室内ではこのような方法でジャーキーは犬用のガムを隠していることがあります。
犬の穴掘りの目的としては上記の二つがメインになります。
その必要がない場合に穴掘りをすることもあります。
子犬の時代にはこうした作業の練習をくり返しますので、無駄な穴堀りをよくします。
野生のイヌ科動物の子犬も穴掘りの練習のような動作をすることがあります。
こうして身に付いた穴掘りが実践で役立つということでしょう。
家庭犬の場合には、もともとすることのない子犬時代がずっと継続するために、することがなくて穴掘りをして時間をつぶしていることもあります。
ただ、家庭犬の場合には隠れる場所を必要として床を掘ったり、ソファを掘ったりする行動をすることもありますので、そのような犬がストレスで生じている行動については注視してあげてほしいのです。
穴掘りをしていると飼い主の注目をあびたり、とめようとよってくることから飼い主を呼び戻す行動となることもあります。
この辺になると、飼い主の行動のパターンに基づく学習行動になりますので、犬本来のものとは少し離れてきます。
そして最後に、この穴掘り行動がずっと継続してくり返し行われる場合には、ストレス行動となっていることもあります。
穴掘り行動は同じ動作をくり返す行動です。
こうした同じ動作をくり返す行動を常同行動といいますが、その文字のとおおり同じ行動をくり返すという意味です。
穴掘り行動は常同行動として変化してしまう可能性のある行動なのです。
行動は単発ではなくその状況や前後の流れなどから意味を汲み取っていきましょう。
犬は遊び行動をしているのか、それともメッセージなのかストレス行動なのか。
じっくり観察すればその行動の意味がわかります。
行動の意味を理解できたら、次に飼い主としてやるべきことが決まってきます。