いろんな犬のしつけ本やインターネット情報が溢れる中、それ絶対違うでしょうと声をあげたくなることがあります。
犬のしつけの方法として、ほめたり叱ったりすることについてはやり方や価値観の問題などで、間違っていると名言することはできません。
あくまで、犬とどのような関係を築いていきたいのかを中心に考えて選択していただきたいと思うだけです。
声を大にして言いたいのは、犬が犬として行動していることに対する理解の違いです。
もちろんこの犬の行動の見方に関しても、そう思うとかそう思わないという味方があるはずなので、自分なりに判断していくしかありません。
今日ここで声を大にして言いたいのは、犬のひっぱりっこ遊びについてです。
本やネットの情報の中には、犬のひっぱりっこ遊びは犬が攻撃的になって噛みつくようになることにつながるためさせない方がいいということを書いてあるらしいのです。
私の意見を結論から言えば、犬のひっぱりっこ遊びで犬が攻撃的になったり噛みつくことはありません。
もしそうなっているのであれば、それはひっぱりっこ遊びのやり方が間違っているか、ひっぱりっこ遊びの解釈がそもそも違っているということです。
一つのもの、例えばひとつのオモチャの両端を2者で持ち、お互いに後ろに体重をかけて引っ張る行動をするひっぱりっこは、見たところ綱引きのような作業になります。
ひっぱりっこ遊びを重要だとしたいのは、犬と犬がする遊び行動だからです。
犬と犬がする遊びの中でも、犬と人が同じようにできる遊び方には限りがあります。
その中で、ひっぱりっこ遊びは犬と人ができ、その遊びの中で協調性、自制、興奮のコントロールなどの学習事項が含まれているすばらしい遊びなのです。
犬と犬のひっぱりっこ遊びは、同じような年齢では頻繁にやるようになるし、年齢やサイズの違う犬であってもお互いに力をセーブしながら上手にやるようになります。
以前このブログでもご紹介した犬と犬のひっぱりっこ遊びの動画を参考にご覧になってください。
過去ブログ→ブランとマーゴの引っ張りっこ遊び:犬の引っ張りっこ遊びは勝たないとダメ?と思っていませんか?
ひっぱりっこ遊びが攻撃性を育ててしまう危険な行動だと誤解されてしまうのは、ひっぱりっこ中に犬が唸り声を上げるからでしょうか。
ひっぱりっこ遊びを人側がものを取り合う遊びだという認識でやってしまうと、犬も同じようにものを取る遊びだと思ってしまいます。
またひっぱりっこは緊張感の伴う遊びなので、社会的に人や他の犬に緊張しやすい犬は声を出してしまうことがあります。
遊びはコミュニケーションなので応答の仕方を工夫すると、少しずつですが引っ張りっこ遊びができるようになります。
ひっぱりっこが得意ではないけれど練習中の犬の動画を掲載しておきます。
以下がその動画です。
フレンチブルドッグ福太くんのひっぱりっこ練習風景
オモチャについてきてしまったり、ひっくりかえったりしてしまいますね。
少しずつひっぱりっこの体勢になるように上手に導いてあげることで、ひっぱりっこ遊びが出来るようになります。
ひっぱりっこは大切なコミュニケーションの機会です。
ひっぱりっこ遊びで犬が噛み付くようになることはありません。