古い資料を整理していたら、家庭訪問トレーニングクラスを受講された生徒さんが作成した資料が出てきました。
その資料とは、犬の散歩中の行動について図面でまとめたものでした。
家庭訪問トレーニングクラスは毎回カウンセリングから始まります。
散歩の練習はクラスのときに実践練習をするのですが、実際に他の犬にあったり人に会うことができないため再現が難しいことがあります。
同時に、私というインストラクターの存在が犬の環境に及ぼす影響が回を重ねることに増していきます。
レッスンを重ねるたびに、犬が普段とは違う行動をするようになってしまいます。
現在は「動画撮影」が簡単にできるようになったため、撮影してもらい後で確認する作業もできますが、それだけでは不十分です。
犬語セミナーの勉強に見られるように、飼い主にとって一番大切なことは「まずは犬を観察する」ことだからです。
犬を日々観察して、犬がどのような行動をしているのかを説明できるようになることで、飼い主の犬に対する理解力は上がっていくのです。
散歩中の犬の行動をまとめたチェック表は、飼い主さんの犬に対する理解力を表現する道具となっているのです。
チェック表のブログアップについて快く許可していただけたので、こちらにアップさせていただきます。
排泄をどのような場所でするのか、犬がどのような行動をするのか、こうしてお散歩マップにしてみるととてもわかりやすいのです。
さらに、散歩コースにどのような犬がどのあたりにいるのかを把握することもできます。
写真の散歩マップは、散歩練習の初期のころの状態でした。
どこにいっても他の犬とテリトリーが重なってしまうため、なかなかテリトリーをつくることができず狭まっている状態がよくわかります。
住宅地では犬を飼う家庭が多く、他の犬のテリトリーに囲まれてしまう状況は珍しくありません。
散歩をはじめる犬は新米犬です。近所の犬たちとすぐに仲良しというわけにはいかないのです。
散歩にはいろんなストレスの要素があります。
リードで拘束されていること、人との関係性、近所の他の犬のこと、車は音などの人工的な障害物など。
これらの困難を克服して社会化を果たし、犬の散歩が楽しくなるためには、まず散歩の状態を把握することです。
そのための道具として「お散歩マップ」の作成をおすすめします。
散歩ができるようになるまで、子犬でも数ヶ月はかかりますし、成犬でも犬によっては時間のかかることがあります。
一旦、落ち着いてできるようになっても、1歳前後の青年期に、3才前後の中年期に入る前に、再び行動が乱れることがあります。
成長と共に変化し続けるのは、犬も人と同じです。
飼い主が成長すると犬もさらに成長するはずです。
お散歩マップを作ってくださった飼い主さんと犬ちゃんですが、今ではテリトリーを獲得してゆっくり散歩に出ています。
大変だったころも懐かしくなる、どれも大切な家族との大切な思い出です。