盆が明けたので、七山は暦通りに一気に秋になりました。
夜になると庭で鳴く昆虫たちの出す声もまさに秋の虫たち。
風は冷たく窓を開けて過ごすこともできないほどの涼しさです。
福岡でも郊外地域にお住いのご家庭では秋の気配を感じられるようで、犬の行動も少しずつ変化してきました。
季節が良くなったら、犬がやりたいこととはやっぱり「お外遊び」。
リードに拘束されずに安全、安心して遊べる庭遊びが一番です。
お庭がなぜいいのかというと、自分の大切なテリトリーである空間にいつでも戻れる空間で自由遊びができるからです。
自分が子供のころには、犬は庭で遊んでいるのは普通の風景でした。
犬は外でつなぎ飼いが多くなり始めた昭和の時代でしたが、家族の価値観なのでしょうが犬は室内を庭を自由に行き来していました。
縁側から石を踏んで勝手に室内に入ってくるし脚を拭いたこともありません。
入り口に脚ふきようのマットが置いてあったくらいでしょうか。
夏の間は蚊などの虫も多いので網戸になっているしペットドアもありません。
秋になって縁側の戸口が解放されると、安心したようにいつも庭で散策をしている犬の姿を見るのが日常のことでした。
最近では、庭に出るたびに犬の脚を拭かなければいけないので庭に出したくないとか、汚れるのが嫌だという理由で庭に犬を出してあげない価値観というのも増えているようです。
犬の毛質が飾り毛となり汚れやすく汚れが取れにくくなっているからかもしれません。
白い飾り毛は土で汚れるとなかなか土の色が取れないのは実際にあることです。
犬の気持ちになって考えると、どうでしょうか。
庭があるのに庭で自由に遊べることもできないなんて、ご馳走を前にずっと食べられない状態でいるのと同じことです。
夏の暑さで行動が制限されていた動物が、涼しくなって自由に散策を楽しみたいと思うのは自然な欲求ではないでしょうか。
庭のないマンションや庭のない家に住んでいる犬たちには、知人のお庭を借りましょう。
その際には、犬を飼っていないご家庭で少し田舎の地域にあって、土が柔らかく風のとおる庭でしたらベストです。
庭がないからといってドッグランに連れて行けばいいのかというとそんな問題ではないのです。
犬は土や草や風の臭いを嗅いで、安心を獲得していく社会化の過程を勧めます。
ところが、日本のような小さなドッグランでは犬たちのマーキング争いの排泄臭を嗅ぎ続けることになります。
犬の脳がどのように反応するのか考えてみましょう。
海外の最高のドッグパークというと、莫大な土地を囲んだ自然公園のようなものです。
国立公園の中を歩いているので、他人や犬に会うことも少なくあったとしてもとても遠くに見える程度で危険を感じられるような状態にはなりません。
囲いを作ってリードを外すという単純な発想から、庭の代わりにドッグランという発想は少し考えが浅いと思います。
田舎に実家のある方は、いくらでも過ごし方や遊び方を発展させられます。
秋になったら犬には散策行動を、庭がない犬は借り庭を準備、それもできなければ犬と一緒に山を散策しましょう。