昨日、立秋を迎え七山では秋の気配が満載になってまいりました。
福岡では夏の日照りが強くこれがいつまで続くのかと思うと気力も体力も限界といったところですが、七山に入ったとたん秋がすぐそこまできているのを感じて気持ちも復活します。
この国は4つの季節がめぐることで、気分のバランスをうまく保てるような気がしています。
春になって少し浮かれると、夏が来て戦いを強いられる。
夏になってもうダメかと思ったときに、秋がやって来て救われた気持ちになる。
秋が心地良いと遊びに浮かれていると、冬がついにやってきて勘弁して欲しいと思う。
丸まっているうちに春が再びやってきて、また屋外に飛び出していく。
こんな季節の巡りもいつまで続くのかわかりません。
長い地球の歴史からみれば、自分の生きている数十年は点にも及ばないほどの小さな時間です。
地球からみればゆっくりと移り変わっていくだけの環境の変化の中で、自分たちは適応性を身につけるしかありません。
環境によって自分を変えてきた、それが生物の進化なのだと尊敬する自然科学者の先生方やおっしゃいます。
ところが人間は、自分を変えずに自分の動ける範囲内だけは一定の温度にしておこうと知恵を使って人工的な空間を作り続けてきましたし、またこれからもそうしていくでしょう。
人は動物としては進化することをある程度は止めてしまった動物だから、ここからは環境と人工的な力との戦いなのかと思います。
ところが人間もやっぱり自然の一つに過ぎないので、自然を感じると安らいだり気持ちが緩んだり心地良かったりしてしまうため、自然を切り離すことができないのです。
切り離せない自然のひとつとして人のそばにいることを望まれているのが犬や猫といった自然とつながる動物達です。
その犬も人工的な思惑で随分と変わってしまいました。
環境によって変わったのは間違いありませんが、人が作った人工的な環境によって変わったのです。
犬が自然に近い動物として人と自然を結んでくれていたことも、もうすぐ終わってしまうのかと思うと本当に悲しくなってしまいます。
今ならまだ間に合うかもしれない。
だから、犬といっしょに山を歩きましょう。
人も自然という環境が作り上げた生物たちの一員であってこそ、犬とのつながりも深くなれると思うのです。
都会の残暑でめげそうになったら、犬といっしょに七山にお出かけください。
山は季節の移り変わりが早いといわれますが、これがこの国の自然な季節の流れではないでしょうか。
そろそろ稲穂が実をつけはじめ、もうひと月もたたないうちに新米の収穫が始まります。