梅雨前のこの季節、雨が降りそうで降らない不安定な天候が続きます。
急に体調を崩してしまう犬も増えているようです。
犬の生活管理に注意を怠らない飼い主さんたちは、室内や屋外の飼育場所の温度管理にはかなり気を使われているようです。
犬は人のように汗を書きにくく一年中分厚い毛皮を着ているため、熱中症になりやすいというのは多くの飼い主さんが情報として持っているようです。
ところが、案外気づかれていないことがあります。
それは、温度管理と同じレベルで重要な湿度管理についてです。
まだ5月というこの季節は、真夏ように連日にわたり気温が高くなることがありません。
気温が25度程度であれば、危険性はないように思われます。
気温があまり高くなくとも、犬の息づかいが早くなってきたり、グッタリした様子をみせるようでしたら、湿度の方を確認してみてください。
犬の毛質やサイズによって個体差はありますが、湿度は60%を越えると犬の体には多少のストレスを与えるような環境になってしまいます。
室内にいるから大丈夫ではないかと思ってしまうのですが、実はそうではないのです。
土の上で生活している犬たちは、暑ければ土を掘って冷たい地面の上に体をうずめて冷気をとっています。
また、日陰で風当たりの良いところは湿度が低く保たれており、好んでこういった場所に身を隠しています。
これに反して、室内は風通しが悪く、土のような冷たさもありません。
体を冷すようなアルミ製のシートなども販売されていますが、土は冷却シートよりも冷たく心地よいのです。
風通しが悪く湿気を発しやすい室内には、エアコンという文明の利器がありますから、除湿で対応していただくしかありません。
特にクレートトレーニング中の犬については、クレート内の湿度が上昇しやすくなってしまいます。
除湿をしっかりかけて、扇風機を回して、室内の空気を循環させてあげましょう。
屋外の犬たちもコンクリートジャングルの中で、風を受けることができなくなっています。
地面は固められて大変暑く、熱気は下りてくるため逃げ場を失います。
屋外用の大きな扇風機を使ったり、日中は土間や玄関スペースや家の一部にいれるように練習するなどの配慮も都心では必要になってきているようです。
人為的に繁殖されている純血種犬の場合、自然環境で生きていくように設計されていません。
あくまでも、人が管理することが前提で人がデザインした犬たちです。
呼吸のしにくい鼻、分厚い毛、長くからまる被毛、脂肪のつきやすい体質など、犬はかなり厳重に管理しなければいけないようになっています。それが純血種犬だと理解しましょう。
愛犬に最適な湿度の基準をみつけるためには、温度と湿度管理をしながら犬の状態を把握して、その犬にあった環境を見つけていくことです。
留守中の気温の変化に対する反応は、リモートカメラでチェックできますね。
人工的な場所で、人工的に作った犬たちを飼うこと。
犬に負担を強いていることを認めた上で、エアコン代は必要と割り切ることも大切です。