今年も大型連休が近付いてきています。
犬といっしょに旅行の計画を立てていらっしゃるご家庭も多いかもしれません。
ところが、飼い主さんたちにお尋ねしてみると「連休中は人が多いので遠出はしません。」
という方が増えてきているようです。
最近では、食事も「家食」などといわれる、外食ではなく家でご飯をいただく傾向が高まっているようです。
同じ傾向で、休みのときには渋滞で疲れてたくさんの時間を消費してしまうのを止めようということでしょう。
渋滞を避けて近場に出かけたり、自宅のお庭でゆっくりと過ごすことについては、犬も大賛成ははずです。
なぜかというと、犬にとっては移動はやはり負担になります。
自分の脚で移動するよりもずっと速く移動するわけですから、室内でじっとしているとはいえ、動物の体に一定の付加がかかるのです。
それでも犬は外出したがります。
何よりも飼い主と共にいたいという気持ちが高いことと、外出によって普段過ごしているよりもより良い環境に過ごすことができる経験をしたことがあるからでしょう。
例えば、都心に住む犬なら自然環境に連れていかれることは移動のストレスを超えてでも、やはり心地よいことなのです。
山や海には上手に出かけていただきたいと思います。
そして、それとは全く違う日常的な空間として、身近な「庭」という自然環境を活用してはどうかと思うのです。
一時期、庭よりも室内を広くとってデザインされた間取りの家が多かったようですが、最近は庭のスペースを十分にとって日常的に活用するデザインに変化していることを感じています。
ご家庭に家庭訪問でトレーニングに伺うため、ご家庭の間取りをできるだけ活用する方法も提案しています。
この訪問トレーニングの中で、家の間取りや庭の取り方などがご家庭によって違うのだなと知ることになりました。
昭和初期くらいまでは、庭は家の中の自然と位置づけられていたようで、庭には山にある様々な木々が植えられていました。
この博多区でも、自分が育った古い家の庭は木々と豊かな土でおおわれ、虫や小鳥もたくさんいたのです。
この都市空間の庭は、そのうち硬い土となり、木々は勢いをなくし、人がゆっくりとは過ごしにくい家から見るだけの空間に
変わってしまったようです。
家庭訪問トレーニングで思うことは、庭には犬を出していないとか、庭はほとんど使っていないというご家庭がとても多いことです。
整備したり手を入れればとても豊かな庭になることが予想されるような空間なのに、あーもったいないなと思ってしまいます。
お庭を整備して、人も犬も心地よく過ごせるようになると、犬たちは庭に駆け出していきます。
庭でひなたぼっこでうっとりしていたり、探索行動する犬の姿を見ると、やはり犬は自然が近い生き物なのだなとうれしくなります。
ゴールデンウィークの間に、活用されていないお庭を犬といっしょに過ごせる空間へ生き返らせてみてはいかがでしょうか?
お庭のないマンション暮らしの方は、知人が使っていない庭の整備をしながら、犬もお邪魔させていただくというのも一案です。
お休みは楽しいものです。犬との限られた時間を充実させたいですね。