犬を飼っている人に、なぜその犬種を選んだのか尋ねることがあります。
犬種というのは、人為的繁殖によって分類づけられた純血種といわれる犬の種類です。
みなさんがよくご存知の犬種でしたら、柴犬、プードル、ゴールデンリトリバー、チワワ、など。
こうしたものを犬種というのです。
「なぜこの犬種を選んだのですか?」という質問に、多くの人は「一目ぼれ」といわれます。
雑誌やペットショップで犬の風貌を見て、愛くるしい、可愛らしいといった理由で犬種を選ぶのです。
次に多い理由が「この犬種は、人になつきやすく飼いやすいと書いてあったから」といわれることがあります。
今はほとんどの情報をインターネットに頼っている時代です。
テレビや雑誌で見た情報を基にして、もう一度インターネットで検索してみる方も多いでしょう。
実際にネットで「犬種 飼いやすい」と検索すると、なんと検索ランキングが莫大で出てきます。
それだけ検索される方が多いため、情報提供者も増えるというです。
ところが、これらのランキングも不思議なことがたくさんです。
まず、人懐こいとか人に馴れやすいというのは、犬種の性質ではなく家庭犬としては当たり前のことです。
逆に、人になつきにくいというと野犬などの人とのかかわりの薄い犬についていわれることです。
家庭犬は長い年月を掛けて人と暮らすことになった犬です。
その中でも純血種は人為的に繁殖を続けた結果、人になつきやすいというはあまりにも当たり前のことです。
人になつきやすい、それが家庭犬なのです。
ですから、人になつきやすく飼いやすいというランキングがあることが不思議なことです。
次に、頭がいいという犬種のランキングですが、このランキングにも疑問を感じます。
頭がいいというのはそもそもどのような犬の状態を指していっているのでしょうか?
犬は人への関心が高く、特に室内犬の場合は人に対して注目する時間がとても長くなります。
飼い主の行動を予測したり、自分のゴハンや散歩の合図を覚えたりするのは犬という動物としてこれも当たり前の能力です。
逆に、頭がいいといわれている犬種の中にこそ、テレビの動画に向って吠えたり、散歩中にポスターを見てビックリするなど
認知力の発達に問題を抱えている犬がたくさんいることは見落とされているようです。
頭がいいといわれることと、落ち着いてリラックスして過ごすということは同じものではありません。
犬の学習能力は一般的に人が思っているよりもずっと高いのですが、それが安定につながっているかどうかは、
犬の行動をよくみて判断して欲しいのです。
これらの理由から、自分の飼っている犬種がかならずしも「人懐こくて頭がいい」わけではないことをわかっていただけたでしょうか?
人と暮らすグループにいる家庭犬という犬たちは、みなそれぞれに人になつきやすくて飼いやすく、そして頭がいいのです。
純血種の場合には、実際の選択はそのサイズと見た目で決められているようです。
犬のかわいい顔は幼児性が高いもしくは、イヌ科動物としていびつな構造になっており、犬に負担のあることも多いのです。
犬を知れば知るほど、犬と暮らすことは大変だと思われるかもしれませんが、
愛する犬のことを何もしらないで無知なまま共に暮らすよりは、ずっと健全で前向きな関係性をつくることになります。
引き続きこのブログでは一般的な視点とは違った面から見る提案を続けていきます。
みなさんがどう考えるのか、どう思うのか、どうして行きたいのか、
いろいろと会ってお話できればうれしい限りです。
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