犬を家庭に迎えて家族の一員として生活を始めたなら、
最初の3年間はとても大切だということを覚えていてください。
犬は人という異なる種の動物と共に暮らすことになります。
生活スタイルや生活環境もすべて人が準備したものの中に暮らすのです。
その中には、先住犬として犬がいることがあるかもしれません。
先住犬がいたからといって、犬が上手くやっていけるわけでもないのです。
その先住犬も、人という動物と関わりながら生活をしています。
先住犬の人との複雑な関係性は、2頭の犬の間に影響を与えてしまいます。
犬がこうした特殊な環境である程度落ち着きを持って生活できるようになるのに、
3年間はかかるのではないかと思っています。
これは、子犬に限りません。何才で人と暮らしても、3年間は不安定期です。
人と人の関わり方の時間も、それぞれかもしれませんが、
3年という月日は、環境を十分に熟知する時間です。
犬を迎えてからの3年間は、他の趣味はちょっとだけ控えていただき、犬との関係作りを中心にしてみてはいかがでしょうか。
趣味を全く止めてほしいということではありません。
仕事を辞めてくださいということでもありません。
時間は作らなければないものなので、犬との時間を最優先に考えてほしいのです。
ところが、犬と人では、時間の流れが多少違っているように感じます。
動物としての寿命が違うだけなのですが、短く思えてしまいます。
犬が10歳になるともう60歳台くらいにはなっています。
ところがその10年で人も同じように老いるのに、人の10年分しか経過していないからです。
これは、最も難しい問題です。
犬とっての1日は人にとっての1日である事実には間違いがないからです。
人は寿命が長い上に、やりたい活動がたくさんあるので本当に忙しい動物です。
今日一日があっという間に終わってしまうように感じることもあります。
そうやって犬と過ごしていると、いつの間にか犬と1年過ごした、2年過ごしたということになっているのです。
人と比較すると、犬の方は本来ゆっくりした動物です。
犬にとって10年という時間は決して短くありません。
でも犬は本当に、毎日待たされているのです。「待機犬」ですね。
忙しい人間と暮らすのだから仕方ありませんが、あまりにも待たされ急がされています。
そのため犬もいつも騒々しく動き回ったり、吠えたりするようになってしまいます。
もしくは諦めていつも寝ている犬になるかもしれません。
犬を迎えて最初の3年間、自宅とその周辺、そしてお気に入りの静かな郊外にも場所を見つけて
じっくりと犬との生活をしてみてください。
この最初の3年間で作り上げる関係性は、とても貴重なものなのです。
もし犬を迎えて3年以上経っていたとしたら、そしてまだ関係を深めたいと思うのなら、
今すぐに犬と向き合い、犬と真剣に関わる準備を始めましょう。
ところが、何をしたらいいのか分からない人が多いかもしれません。
わからないときは相談してください。
そのためのドッグスクールです。