子犬や老犬の体調管理には注意が必要な季節になりました。
気温の変化に対応するためには、体の自律機能が頼りです。
体温調節は自律神経がつかさどっています。
自律調整機能が不安定な状態だと、気温の低下に体が適応しません。
老犬になると、機能低下が著しくなるため、
温度管理はとても大切になります。
老犬のお部屋は十分に温めてあげてください。
ただ、子犬の場合は、ただ暖かくするだけではダメなのです。
いわゆる過保護状態になりすぎると、子犬の成長を阻害してしまい、
免疫力の弱い虚弱な犬になってしまうからです。
子犬は環境に応じて身体的機能を鍛えて高めていくことができます。
寒いからと冬場に部屋に閉じ込めたりすると、
子犬の自律神経機能は発達せずに、心身共に弱い犬になってしまうのです。
この冬の時期に、子犬たち2頭が七山校にお預かりクラスに来ました。
七山は標高500メートルのところにあります。
都心の犬にとって、自然環境は特別の刺激です。
特に健康な子犬たちにとっては、興奮の素材がたくさんです。
お預かり数回となって、山歩きにもチャレンジできました。
子犬の状態を見ながら、今日はココまでと欲張らずにすすめます。
子犬たちは休憩したり歩いたりをくり返しながらも、
果敢に山歩きにチャレンジしていました。
歩くことで体の機能も発達し、体温調節機能も高まります。
自然の中での安定した活動は、子犬の脳を健康に発達させていきます。
室内での休憩中には、きちんと暖がとれるように準備します。
子犬のお泊まりにはいろいろと気配りが必要ですが、
子犬たちの元気な笑顔や成長が、その苦労を忘れさせてくれますね。
朝一番のお庭での排泄タイム。
庭に出た子犬たちは、ピューと吹く北風に一瞬ビックリします。
だけど、シャッと背筋を伸ばすようにして、
テラスの階段を自分で下りて排泄に行きます。
こうした預かり中の行動を見ているだけでも、
飼い主さんが日常的にどのように接しているのかがわかります。
子犬の自律性を高めるように接しているということが、十分に感じられるのです。
犬の行動はうそをつきません。
家で出てきること自律行動は、預かり中にもちゃんとできるのです。
ところが、家で飼い主さんに依存して生活をしていると、
ブルブルと震えてしまうかもしれませんね。
すべてが、飼い主がそばにいることでしかできなくなっているからです。
犬たちに、日々の自律した生活を促すことが、
気温の変化に適応する体をつくることを知ってください。
うちの犬は寒いのがダメ、うちの犬は寒いと風邪を引きやすい。
そんな犬たちの限界を、少しでも延ばして超えていきましょう。
犬の自律神経の調整力は、犬の生涯を通して犬の健康な毎日を支えます。
犬をただ可愛がるだけでは、犬の能力は発達しません。
犬が生まれ持った自分の能力をできる限り発揮できるように、
飼い主は環境を整えましょう。