月が丸くて明るいなと思ってカレンダーを見ると
3日前が満月になっていました。
満月の日は、折り返し地点でいろいろと混乱を生じることもあるようです。
一昨日は満月から折り返して月が欠けていく日。
満月よりも少し安心して、犬たちといっしょに月明かりの下を歩けそうです。
今日は犬と飼い主さんがテントに寝るクラスがある日です。
犬と人では時間を味わう感覚が違います。
おそらく犬は、遠い将来のことを思い煩う時間を持っていません。
犬は何かを達成することやクリアすることを目的に行動をしません。
すべての犬が、今に集中できる力を持っています。
人からすると、こうしたことは犬の能力ではないと感じるかもしれません。
未来や過去の流れる記憶を持つヒトという動物の方が、優れていると思ってしまうのかもしれません。
実際にヒトがこのような時間を持つようになったのは、大脳が発達したからでしょう。
しかし、そのことが今目の前に起きていることを見失ってしまう欠点でもあるのです。
この点では圧倒的に、犬の方が能力が高いと思うのです。
たとえば、テントクラスもテントに犬と寝るということが目的ではありません。
確かにテントに犬と寝るのですが、それはひとつの形にしか過ぎません。
テントを張るために荷物を担いで山を歩いて気づくことがあります。
犬の行動がいつもと違うことを感じることもできます。
自分が吸っている空気が、都心のものとは明らかに違うことを感じることもできます。
この季節、明日になったら変化してしまう風景を目にすることもできます。
犬といっしょにいるからこそ、輝く景色があると感じることもあります。
犬が山を歩いているとなぜかホッとするのです。
そして、犬と山を歩いていると見える景色が違うのです。
さて、今回のテントクラスでは何か夢を見たでしょうか?
不思議なことは特別なことではなくて、犬と過ごす普通の時間です。
その普通の時間に、ときどき「山と犬」をいれていただけるとうれしいです。