週末はドギー・ナイトの時間をいただいた。
雪の中でたき火をし木の命が天に昇るのを見届けながら私たちは暖をいただく。
雪といっても太陽の遠い日々が続いた後にできた氷のじゅうたん。
雪の中で元気にはしゃぐ犬達もこのじゅうたんはあまりお気に召さないらしく早々に暖かい場所へと戻っていく。
部屋の中に並べられたクレートの中から音が聞こえる。
「ズー…ズー…」
だれかの寝息かいびきのようだ。
またしばらくすると別の音が聞こえる。
「グー…グー…」
交代で寝息を立てる犬達。
寒い気候は体力をかなり消耗するのだろう。
暖かな部屋の自分のテリトリーの中でぐっすりと休めるというのも悪くない時間なのかもね。
この季節はテントで寝ることもできないので飼い主さんたちは部屋の中でお勉強タイム。
今日のお勉強は「人類がいなくなったら犬達はどうなるの?」
人類がいなくなった日について専門家たちが語る映像を見ながら地球の変化を想像する。
犬は、猫は、ねずみは、鳥は、そして狼は…。
地球があって自然が命を取り戻せば、自然そのものである命たちは
形を変え力を変えてその生命の喜びを地球に捧げ続けるのだろう。
人類が滅亡してもわたしたちに付き合わなくていいよ、というまでもなく
彼らは自立して生きのびていくことだろう。
そんなことを心配するひまがあるなら
自然に遠くなった自分の方をなんとかしたほうがいい。
降り積もる雪と氷の山の中に埋もれていく家の周囲を
みんなの手をかりながらスコップや板で雪かきをした。
背中はバリバリに痛くなって横になるときには最高に幸せと感じる。
こんなことをしなくても快適に過ごせる生活もあるけど
こんなことをするからこそ知ることもたくさんある。
この日にたいていスコップできれいにした道も
今朝目が覚めると真っ白の雪で覆いつくされている。
自然の力というのは偉大でありすぎて恐れおおい。
でも、恐れることと畏敬することはちがう。
恐れずに畏敬の念をもって共にありたい。
犬はその力と私たちよりもずっと近くにあって
そこへたどりつくためのチャンスをくれる。