犬用ベッド(ドッグベッド)の設置の重要性について、くりかえし説明してきました。
以下のブログは参考になりますので、ぜひご覧ください。
室内で生活する犬のための犬用ベッド
つい先日もプライベートクラスで、犬用ベッドを導入して犬に居場所を提供する環境を整えてくださった生徒さんから喜びの言葉を聞けました。
「ビックリしました。
ベッドひとつであんなに行動が違うなんて。
本当に驚きです。」
なんだか、ありきたりのCMのようなコメントのように聞こえますね。
「あんなに行動が違うなんて」のところが詳細にお伝えできないのが残念です。
犬用ベッドをリビングに設置することが犬に与える影響については、行動学的に説明することが可能です。
犬用ベッドは犬にとっては自分のスペースであり最も小さなテリトリーなのです。
日本では、リビングなどのみなで一緒に過ごす室内空間が、昭和初期から現在の平成にかけてずい分を変わってきました。
昭和初期といえば、広々とした和室空間で、あまり物や棚や飾りものがなくガラリとしている室内です。
食事のときにはコタツのようなテーブルを出してそこで食事を取るが、必要のないときにはすぐにテーブルを片付けてしまい、また新しい空間として活用できるような知恵も生きていました。
ところがこの昭和初期時代には、室内で飼われている犬はわずかです。
少数のシーズーや狆といったいわゆる「お座敷犬」が、限られた家庭の室内で飼われていました。比較的大きなお家ではなかったでしょうか。
その他の昭和初期の犬たちは、庭やその辺につながれたり、つながらなかったりしてゆるりと生活をしていました。
時代がすぎ、リビングのつくりやインテリアも変化しました。
コタツは椅子とテーブルになり、ソファも設置されるようになります。
家具は固定され、空間は、食事をするところ、テレビを見るところ、寝るところ、と細かく分かれるようになります。
椅子やソファが固定されると座る場所が決まってきます。
昭和初期とはずい分ちがった室内空間ができあがっているわけです。
これらのインテリアの配置された現在の家の室内に、室内犬は暮らしています。
彼らもリビングで休憩したり、休んだりします。
飼い主に依存する傾向の高い犬は、人のテリトリーと同じ場所を死守します。
人の座る椅子、テーブル、座布団、膝の上に乗っている犬たちはこれらの傾向があることを示しています。
人とある程度距離をとって安定をはかる犬たちは、これらの場所ではないところに、自分の居場所を持とうとします。
ところが室内の多くは、人の移動のルートになっています。
そのため、室内犬は落ち着ける場所として、テーブルの下、椅子の下、リビングの端、カウンターの下、など、人が通行できないような場所や隠れられる場所を探してはそこに居場所を作ります。
それも見つからないと、あちこちに休んでいるように見えるのですが、そうでもなさそうです。
十分に休む自分の居場所が与えられていない犬は、飼い主の足に寄り添っていたり、壁に臭いをつけたり、仰向けになって寝たり、伏せて顔を地面につけた一時休憩姿勢をとったりして、神経をすり減らして生活しています。
犬用ベッドの必要性と効果について、一度考えてみてください。
それが犬にとってどのような影響をもたらし、どのように有効なのかについても。
犬用ベッドを設置するだけで、そのベッドに自分の臭いをつけながら、いつもベッドに休むようになる犬もいます。
しかし、そうならない犬もいます。
飼い主という人の領域からでることにできない、分離不安傾向を持つ犬たちです。
これらの犬にはまた別の環境を整える方法で、ひとりの居場所で落ち着けるように導いてあげる必要がありそうです。
どちらにしても、犬用ベッドを設置しないと、犬が何を選択するのかもわかりません。
犬のサイズが大きいと、ベッドは案外場所をとるかもしれません。
アメリカ映画では、大きなリビングのドッグベッドに犬が横たわっているシーンもよくみかけます。日本の部屋はあんなに大きくありませんが、室内でしか飼うことのできない大型犬を迎えたのですから、多少、犬に場所を必要としても仕方ありませんね。
その犬のサイズや好みにあった犬用ベッド(ドッグベッド)をさがしてあげてください。
ミシンがある方であれば、ハンドメイドでリメイクしたり作ってあげることもできるでしょう。
購入したいのだけど、どれがいいかと尋ねられたときは、以下のブログで紹介したアメリカブランドのベッドをお勧めしています。
グッドボーイハートお勧めグッズ:犬用ベッド編
重量があってやわらかすぎず、少し大きめだけどそれほど邪魔にならないということで、
好評価を得ているベッドです。
食べ物であれ、クレートであれ、犬用ベッドであれ、物質的な支援は人と暮らす犬には必要です。
ところが、この支援のもっと大切なことは、犬の必要性について飼い主が理解しているということです。
犬用ベッドの設置協力も飼い主の理解のひとつです。