グッドボーイハートのある博多区の中心部とその周辺は集合マンションがほとんどです。
博多区の事務所で作業しているときに、昼夜を問わず気になるのは、犬の無駄吠えです。
「犬は無駄に吠えることなどない」といいたいところですが、
これは明らかに無駄に吠えていると思われる声が聞こえてきます。
犬の行動から犬の状態を理解する場合には、犬の吠えるという行動もその中に入ります。
声は遠くまで情報を飛ばすことができます。
吠えている犬の姿を見ることはできない環境でも、犬の吠える行動から得られることがあります。
犬が吠えることについては、他の行動と同じように、なぜ吠えているのかということよりも先に、
どのように吠えているのかに注意を払ってみましょう。
吠える声の質というものがあります。
声の質とは、声の高さ、長さ、他の特徴です。1回の吠える声の長さですね。
ワンなのか、ワォーーーーーンなのかでも、違いがあります。
そして吠える声の回数です。
ワンなのか、
ワン、ワン、ワンなのか
ワン、ワン、ワン、ワン、ワン、なのか。
それから全体の吠え続けている声の長さです。
数十秒吠えている、数分吠えている、数時間吠えている、など。
数時間など吠えることがあるはずないと思うこともありましたが、
実際に何時間も吠えている声を聞いたり、吠えている姿を目視したこともありました。
犬の行動は、吠えることを含めてコミュニケーションの手段です。
犬の行動を理解できない人に対して吠えるという行動は、人の関心を引きやすいものです。
そのせいか、犬は人との暮らしで吠えるという方法を活用してきました。
オオカミは吠えず、犬は吠えるというのも、人が動物の生活に関与して与えた影響のひとつでしょう。
その活用の仕方によっては、人に利益を与えることもあるし、
人に不利益と受け取られるものもあります。
ただ、吠えることはコミュニケーションとして受け取られていないことも多々あります。
連続して数十分以上にわたり単調に吠え続けることはコミュニケーションではありません。
では、こうした行動は何かというと、同じ行動をくり返す常同行動というストレス性行動です。
ストレス性行動にはストレスの段階に応じてさまざまな行動があります。
中でも常同行動は、ストレス値の高い状態で表現されてくる行動です。
吠えるという行動が受け取り手のない、くり返し行動として変化したのかもしれません。
常同行動には音を伴わないものも多くあります。
ただ、吠えることがくり返される場合には、吠え声は周囲に届いています。
「犬の様子がおかしいですよ」というお知らせでもあるので、飼い主が気づかれるか
周囲の方が気づいてあげることで、改善を望むこともできます。
犬の吠えは飼い主に注意を促すと「苦情」と捉えられてしまい、ご近所付き合いが難しいという一面もあります。
犬たちのことも、人と人の日頃の関係によって影響を受けてしまうものだと思います。
犬という動物への理解が進むことが、人と人の暮らしをもっと豊かなものにするものだと信じています。