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犬の逃走問題は単なる元気が良いでは済まされない

福岡県で大型犬のボルゾイ6頭が逃走するというニュースが放送されていました。
幸い大きなトラブルもなく、すべての逃走犬が保護されたという報告を聞きました。
安堵すると同時に、犬の逃走問題について考える機会を得ます。

犬の逃走問題は、犬の迷子問題でもあります。

動物を飼育する人にとって、犬を逃走させない、迷子にさせないことは
様々な責任の中でも、重要なものです。

犬が逃走中に起こり得る社会的問題は、みなさんも容易に想像できるかもしれません。
実際に、人や他の犬に怪我を負わせる、家屋や物資を破損するといった具体的な事例もあります。
実質的な損傷がなくても、今回のように「怖い思いをした」とか、
学校の授業が中止になるという対応を迫られることもあります。

逃走犬の状態にしても、自分の住処に帰ることができずに消耗したり
ストレスの多い経験をすることも多いことでしょう。

逃走犬が小さな犬であっても、犬を避けた車が事故に巻き込まれたり
糞尿を撒き散らすといった小さなトラブルも起こるかもしれません。

犬の逃走問題を回避するための、いろいろな物理的対応については
行政の指導や自分たちで工夫することでいくらでもできることがあります。
具体的には、柵の強化や作り方、名札の着用などがその代表的なものです。
これらの管理は犬を飼育する義務として取り組んでいただきたいことです。

社会的な責任というのはあまりにも当然なことですが、他にも理由があります。

たとえば、柵が不安定なテリトリーは犬自身がストレスを感じる状況です。
柵をくぐって外に出られるとか、柵に飛びついたらグラグラするとか。

犬は人が管理するテリトリーの中に生活しています。
庭でのマーキング行動で、犬としてもテリトリーを守っています。
それは、主に他の犬や動物に対して行われているものです。
飼い主との関係ができていればということが前提ではありますが…。

犬は、人が管理するテリトリーの中で生活しています。
人が決めた庭や駐車場や家周辺の境界線は、人に対して
「ここまでがわたしの家です。」とわかりやすくするものです。

その中で、犬に与えるスペースは全てであることもあるし、
その一部である場合もあるでしょう。
どちらにしても、それもまた人が決めた境界線です。

犬はわかりにくいことが苦手です。
特に認知力の低い犬に対しては、境界線はきっちりと作ってあげてください。

また、犬が境界線を誤って越えてしまっても、犬が自力で帰ってくることができるようにすることもできます。
これは「教える」というよりは「育つ」ということでしょうか。
この方法については、またいつかお話します。

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