今月は3回もグッドボーイハートのゼミナールクラス「犬語セミナー」が開催されます。その2回がおわりました。
同じビデオを見ていただているのに、参加者が違うとこうも見方が違い、
またこんなに関心の寄せられる部分も違うのかと、改めて思います。
いくつかのビデオを見ていただきましたが、珍しいビデオでは
生後3ヶ月の子犬と成犬の対面のビデオです。
生後3ヶ月の子犬をおとなの犬に対面させる機会はなかなかありません。
というと、グッドボーイハートで少し前までにトレーニング受講された方なら
え?と思われたでしょうね。
私の相棒だったオポという名の犬は、子犬を所属させる犬だったからです。
なので、グッドボーイハートでは多くの子犬がオポに会いました。
ところが、このタイプの犬はほとんどいないということです。
理由は大変深い話なので、ここでは省かせていただきます。
先週のブログ記事、コミュニケーション欲求が満たされない問題について
どうしても気になるのは、子犬を成犬にあわせたいいかどうかということです。
家庭に迎えられた子犬には、犬とかかわる機会が与えられません。
ところが、対面させた成犬が所属を許さない犬であるとすると、このような行動をとるでしょう。(一例です)
子犬を無視しつづける。
子犬に乱暴なコミュニケーションや攻撃をする。
威嚇して子犬を寄せ付けない。
自己防衛を続け、子犬を寄せ付けない。
子犬はコミュニケーションを拒否され、大変なストレスを感じることになります。
自分のコミュニケーションが通じないということです。
管理者との関係性を築きテリトリーで自分のスペースや安定性を得始めている子犬なら、成犬に近づかずに様子を伺うこともできます。
相手の変化を待ったり、子犬自ら落ち着かせ行動を取ることもあります。
ですが、これも大変例の少ない行動です。
子犬の性質だけでなく、犬のことをよく理解し子犬期に安定行動を得られるようになるには、必要な要素がたくさんあります。
成犬に受け入れをされない子犬のコミュニケーションは、
どんどん乱暴なものになっていきます。
相手に歯を当てたり、とびついたりするような成犬になってしまうかもしれません。
近づきすぎて攻撃され過剰に防衛するようになるかもしれません。
子犬の安定度をよくみてから慎重に行う必要があります。
他の子犬に会わせればいいかというと、これもうまくいかないことが多いのです。
子犬が同腹の犬を兄弟犬として過ごせるのは、親犬が存在するということとが前提です。
親犬としての存在のないところで子犬だけを放置すると、子犬は激しいじゃれ遊びを中断できず、大変興奮したコミュニケーションをとるようになります。
子犬同士は攻撃性がなく、どちらもコミュニケーション欲求が高いため、
ケンカ別れにはならず関わり続けるため、乱暴なコミュニケーションを身に付けてしまいやすいという欠点があるのです。
その興奮したコミュニケーションを「遊んでいる」と受け取ってしまい放置してしまうからです。
子犬のころに犬同志を会わせて関係作りを進めたいのであれば、できるだけ慎重に行うことをおすすめします。
犬の行動分析をすればするほど、子犬の遊び行動ほど難しいものはありません。
子犬に攻撃性がまだ出現しておらず、コミュニケーションが未熟であることがそのわかりにくさなのかもしれません。
子犬の安定度は、飼い主さんとの社会生活の中で育てられています。
子犬の社会化の発達を他の犬に頼り始めているとしたら、
すでに飼い主さんの基盤が緩んでいるのかもしれません。
9月の犬語セミナーはあと1回。30日の12時~七山校で開催します。
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