先日、お家に来たばかりの子犬のご自宅へ訪問しました。
ところが、その子犬は私の姿を見てワンワンと吠えて飛び跳ねています。
大変興奮した状態なので、何か訳があるのだろうなと思い飼い主さんに状況をうかがっていきました。
話しの内容で、子犬が人を見て興奮するようになった理由がわかりました。
子犬が来ることが以前からわかっており、来客の出入りの多い場所であったことから
子犬が来たら見たいという「犬好きさん」たちがたくさん面会に来たようです。
犬を好きな方の多くは、犬とのあいさつのときに興奮してしまいます。
「キャーカワイイー」と大きな声を出しながら接する
子犬を抱き上げて、タカイタカイをする
子犬を抱き上げて、抱きしめる
子犬を抱き上げて、頬ずりする
子犬に抱きつく
子犬の頭や顔を撫で回す
子犬に覆いかぶさるようにして手を出す
※手の甲の臭いをかがせるという方法が広まっていますが、これは犬によります。
子犬に手を出すと子犬がひっくりかえり、その後腹をなでる。
こんなパターンの行動で接する方が多いのではないでしょうか。
こうした接し方は、犬とのあいさつとしては間違っています。
どのように間違っているのかをひとつひとつ説明するにはコトバだけでは不足になりますが、わかりやすくいうと、犬のスペースを侵しているということです。
接し方の基本は子犬も成犬も同じです。
子犬の方がまだパーソナルスペースがきちんと出来上がっておらず、
他者に踏み込ませやすくなったり、また好奇心がつよく、子犬の方から新しい臭いに
興奮したりとびついたりすることが起きるという違いはあります。
でも、最近では成犬になってもこのパーソナルスペースがきちんとできあがっていないため
来客に飛びついたり、体を押し付けたりしてくることもあります。
では、正しい接し方はどのようなものでしょうか。
相手のスペースを侵略しない接し方です。
よい例は「犬にあまりなれていない」人が子犬に接するときです。
犬に慣れていない人でも小さな子犬で興奮度が低い犬でしたら、怖がる人はいません。
そうした人たちは、子犬を見ても立ったまま、まれに座っても、自分は動こうとはしません。
子犬が近づいてくるのを待ち、近づいてきたら臭いをとらせませます。
ごあいさつはこれで終わりです。
子犬は成長と共に、人を観察するようになり、どのように近づいていくのか
どのように人が自分を認識して受け入れるのかを学ぶようになるのに数ヶ月は必要です。
あいさつのあと、もっとコミュニケーションを深めたければ、オモチャなどの道具をもって
遊んであげるのがいいでしょう。
でも時間が必要です。
遊びとなると関係性を深めていく段階に入っていきます。
なんどもその犬とこれから会う可能性があって、その子犬にとって大切な存在となる人とは
回数と時間を重ねて、少しずつ関係性を高めていってください。
その他の人は、通りすがりの人です。
子犬が臭いを取りにいけば、ごあいさつはそれで終わり
その後は子犬にかまう必要はありません。
犬のスペースを侵さないように配慮してくださればそれで十分です。
犬とのあいさつの仕方は、コトバ伝えることはむずかしいですが、
実際に接しているのをみていただけるとわかります。
レッスンを受講していらっしゃる方は、少しずつ身に付けていかれます。
実はこうした学びは、犬に号令を教えることよりもずっと大切な学びです。
もっとわかりやすく理解していただけるように、イラスト化を企画してます。
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