グッドボーイハートは人と犬が共に成長して調和することを目指すドッグトレーニング・ヒーリングスクールです。

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「尻尾を振る犬は喜んでいる」は迷信ファイルへ

「犬が尻尾を振っているのは喜んでいる」と思いますか?

先日クラスのときに、飼い主さんからこんなことをいわれました。
「尻尾を振っているのは喜んでいると思っていたけど違うんですね。今までずっとそうだと思ってました。みんなそう思ってますよね。」

今までずっと、それも何十年にもわたってそうだと思っている事は、自分の中では常識化してしまいます。
それを「そうではない」と知ったときの衝撃は大変強いものでしょう。

「みんなそう思っていますよね。」という世間の常識が違っていた、ということが衝撃が強さを後押しします。

「尻尾を振っているの犬は喜んでいる。」は、犬の行動を説明するには不十分です。
「尻尾を振っているの犬は興奮している」というのが、犬の習性を捉えた表現方法です。

その興奮の中に、喜びが入っていることは否定しません。
ただ、その喜びは人のものと同じであるとは限りません。それは犬にしかわかりません。
そして、興奮行動の中には、もっと違う種類の行動も含まれています。
たとえば、攻撃行動です。

犬が尻尾を振って近づいてきた→手を出して咬みつかれた
という経験をしたことがある人もいるでしょう。尻尾を振っている犬が、咬みつくことは珍しくありません。なぜなら尻尾を振っていたその犬は興奮していたからです。

「犬が尻尾を振っているのは喜んでいる」という迷信から抜け出せない人は、次のような説明をします。
犬が尻尾を振って喜んでいるときに近づいたら、豹変して咬みついた
犬が尻尾を振って喜んでいるときに近づいたら、急に嫌なことが起きて咬みついた

カウンセリングのとき、飼い主さんの複雑な状況説明を聞くことがあります。
「尻尾を振っている犬は喜んでいる」という迷信から抜け出せないため、このような状況説明になってしまうのです。

ではどうしたらいいのでしょうか。

犬のことを理解するのは難しいのでしょうか。

そんなことはありません。
犬の行動は一定の環境ではとても分かりやすくシンプルです。

他のことはともかく、犬のことに関する「常識」は、改めて「犬の習性」として、よく観察しその行動を分析すれば、犬の状態を正しく知ることができます。

実はわたしも、犬のことを学び始めた当初、常識が崩れる経験をしてきました。最初に数回の「常識崩れ」が起きると、その後からはいつも「今自分が知っていることは本当のことではないかもしれない。」というように、常に自分の持っている知識に曖昧さを残せるようになります。
この行動はこのケースではこう、別にこう見ることもできるという風に行動の分類わけもでき、いくつもの側面から見ることができるようになります。受け取り方に柔軟性が出て、もはや知ることこそ楽しみになるという風に変わってきます。

すぐに正しい答えがでないと落ち使いない飼い主さんもいます。
わからないことをそのままにしておくことは、ストレスになります。そのため一旦、こうだと固定してしまい、それが常識化してしまうということでしょう。
ネットですぐに検索して、わからないことを解決する習慣がついている今の社会で、曖昧さを残すことは、慣れない習慣なのかもしれません。

犬のことを知りたい気持ちを継続させて学び続けることは、実はとても楽しいことです。

迷信ファイルというコトバも、ある生徒さんが作ってくれました。
犬の行動学セミナーのときに「あれって迷信なんですね。迷信ファイルに入れておきます。」といって、そのときいくつもの犬の迷信を拾われていたようです。

犬の迷信もある一定の役割を果たしたのかもしれません。
でも、そろそろ、本当のことに気づいてもいい時期でもあると思います。

犬の行動学は分かりやすく楽しいです。特にご自分の犬の行動について知ることは特別な時間です。行動学の専門家が見るあなたの犬の行動について知りたい方は、ぜひカウンセリングクラスを受講してみてください。

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