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成犬を迎えるための譲渡会

熊本県動物管理センターへボランティア活動に行ってきました。寄贈された中古の犬舎を運搬し、センターの犬たちのお世話を少しだけお手伝いしました。

明後日、同施設内で熊本県が主催になって行われる譲渡会をひかえ、職員やボランティアのみなさんもその準備に忙しい様子でした。熊本のローカルテレビの取材も入り、被災後の動物管理センター内が多少混乱した状態を継続していることを、一般のみなさんにも知っていただくための情報提供も行われているとのことでした。

譲渡犬の中には、生後8週齢くらいの子犬たちも含まれています。動物愛護施設や保健所から犬を譲り受けようとする方々の多くが、成犬よりも子犬を希望されます。子犬の方がなつきやすい、かわいい、愛着がわくというのがその理由のようです。

でも、犬を迎えるには子犬よりも成犬の方がいいという点もあります。
たとえば、子犬には子犬を育てる環境が必要です。昼間は家族が外出してしまい、子犬がひとりになるのは、子犬を育てる環境として不十分です。子供さんに子犬育てを任せることはできません。子犬を育てる環境を整えていないのに子犬を迎えてしまうと、犬の成長と発達に影響を及ぼし、成犬になってから問題行動が起きる可能性があったり、人との接触が難しく、庭につないだまま飼うことになってしまうかもしれません。

その点、成犬は一定の時間であればひとりで留守番することができます。犬の性質も表面化しているため、どのような行動が出やすいのかを予測することも可能です。成犬の習慣化した行動には、好ましいものと、好ましくないものの両方がありますが、それらを事前に知った上で、犬を迎えることができるのです。そのため、自分が犬を迎えようとしている環境に、一番適してる犬を迎えることが可能です。

成犬の場合には、多頭で飼育されている環境では行動を抑えていることがあります。おとなしかったりあまり動かない犬が、一頭になると変わってしまうようになることもありますが、犬が変わったわけではありません。変わったのは環境です。
こうした間違いを防ぐためには、一頭ずつ個別に扱われる状況をつくる必要があります。ケージや犬舎をわける、食事をわける、一対一で接する、一定のテリトリーを与えるなどです。施設内でも可能な限りこれを行うことができますし、保護団体が一時預かりをする間にこうした環境を整えて、十分なケアをされていることもあります。

犬をどのようなところから譲渡するのかによって、成犬の見方は変わってきます。犬を見極める自信のない方は、信頼できる保護団体が預かっている犬や、ボランティアやプロのアドバイスを受けることが可能な環境で、犬との面会を行ってください。

今回の熊本の動物管理施設のボランティアを通して、私も様々なことを学んでいます。地震をきっかけに譲渡が必要な犬が急増したことによって、混乱を生じていることは事実です。ですが、これをどのように解決することが動物たちにとって有益であるのかを考える必要もあります。被災時とはいえ、人が犬を飼うというところから始まったことです。

譲渡のシステムもまた、人が犬を飼うために必要なシステムです。犬と暮らしているすべてのみなさんに知っていただきたいシステムです。これらのシステムはまだこれから整えていく必要があります。すでに犬と暮らしている方も、この譲渡に関するシステム作りに関心をもって参加してください。


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熊本被災ペット支援ネットワーク
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